スマホを捨てて歩く、23区内唯一の「天然冷気」と「石畳」の記録

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神奈川県相模原市、国道413号線を走っていると、突如として風景が「巨大な壁」に遮られる。相模川を堰き止める城山ダムだ。驚くべきは、そのダムの天端そのものが国道として機能し、大型トラックが日常的に行き交っていること。

しかし、本当の驚きはその先にあった。ダムを渡りきった瞬間、山あいの景色には不釣り合いなほど、立派で長い商店街が姿を現すのだ。「なぜ、これほどまでに商いが発展したのか?」その答えは、津久井湖の底に沈んだかつての中心地、そして街道の要衝として生きてきた人々の「生活の地層」の中に隠されていた。

ダムの天端は「国道413号」。巨大インフラの上を大型トラックが駆け抜ける日常

城山ダムの最大の特徴は、ダムの頂部がそのまま国道の路面になっていることだ。歩道を歩けば、足元から巨大なコンクリートの質量を感じ、真横を走り抜ける車の風圧に圧倒される。地域の物流を支える現役の動脈が、ここにはある。

湖底に沈んだ「中野地区」。かつての賑わいを引き継いだ長い商店街

かつてこの地は、絹織物の流通や甲州街道へと繋がる交通の要所として高い商業的熱量を持っていた。1965年のダム完成により中心地であった「中野地区」の多くは湖底に沈んだが、商売人たちは立ち止마らなかった。

彼らはダムのすぐ脇、現在の国道沿いへと移転し、かつての街並みのリズムを再現するように長い商店街を再構築したのだ。あの長さは、沈んだ街の「誇りと執念」の距離でもある。

食と散歩:看板建築を愛で、津久井の「恵み」を味わう

観光地としての顔の裏に、地元客が通う精肉店や和菓子屋が点在する。「ダム最中」を売る店主との会話や、揚げたてのコロッケを頬張りながら歩く商店街には、今も「買い物の場」としての生きた空気が残っている。

旅程:春を巡る「津久井湖・城山ダム」1dayスケジュール

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時間行程内容・見どころ
10:30城山ダム・展望台巨大なクレストゲートと、ダムの上に吸い込まれていく国道を眺める。
11:30ダム天端(国道)歩き轟音と振動を感じながら、国道の歩道を対岸へ。
12:30商店街ランチ津久井コロッケや地元の定食屋で街の味を堪能。
14:00「長い商店街」散策湖底から移転した看板建築を愛でつつ、個人店を覗く。
15:30津久井湖城山公園公園からダムと街を俯瞰。中野の記憶に想いを馳せる。

観光地の顔ではなく、そこに生きる人々の体温に触れる。日帰りではもったいないその地域のど真ん中に泊まり、夜は地酒を楽しんだり温泉で疲れを癒やしたり——自分だけの時間を見つけてみませんか?

*スマホをどこかに、しまって歩くには絶好の街ですよ?


【実用データ:城山ダム・津久井湖編】

  • 公式情報: 相模原市観光協会 公式サイト
  • アクセス:
    • 車: 圏央道「相模原IC」より国道413号線経由で約10分。
    • バス: JR横浜線・京王線「橋本駅」から「三ヶ木」行きバス、「城山ダム」下車すぐ。

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結び:地層の上に続く日常。城山・津久井湖が教えてくれること

城山ダムを訪れた人が抱く違和感の正体。それは、巨大な人工物と、そこに執念深く根を張った昭和の商いがいまだに火花を散らしているからに他ならない。

湖底に沈んだ街の誇りをダムの脇へと運び込み、国道沿いに再構築した「長い商店街」。そこには、どんな変化も受け入れ商売を続ける人々の逞しいリズムが刻まれている。「次はあの店に」と好奇心が湧く生きた地層を、ぜひ歩いてみてほしい。

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