
岡山県倉敷市を訪れるなら、白壁の町並みだけで旅を終えるのは少しもったいありません。
倉敷市南部の児島には、国産ジーンズの店が集まる「児島ジーンズストリート」があります。ここは最初から観光地として造られた通りではなく、繊維産業で栄えた味野商店街の空き店舗に地元メーカーが入り、再び人が歩く場所へ変わった商店街です。
面白いのは、古い建物だけが残っているのではないこと。生地や縫製、シルエットにこだわった国産ジーンズという強い商品があり、店を比べながら自分に合う一本を選べます。
今回は、1日目に児島で国産ジーンズをじっくり見て、夕方は鷲羽山へ。児島・鷲羽山周辺に泊まり、2日目に倉敷美観地区を歩く1泊2日を紹介します。移動はマイカーまたはレンタカーがおすすめです。
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児島ジーンズストリート|古い商店街が国産ジーンズの町へ

児島は、明治時代から「繊維のまち」として知られてきました。足袋や学生服、作業服などを作るなかで培われた縫製や加工の技術が、1960年代に始まった国産ジーンズの生産へつながっています。
児島ジーンズストリートがあるのは、かつて地域の買い物客や繊維産業で働く人たちでにぎわった味野商店街です。しかし、生活や交通の変化によって人通りが減り、空き店舗も目立つようになりました。
そこで2010年に始まったのが、地元のジーンズメーカーなどと協力した商店街の再生です。旧野﨑家住宅前から味野第二公園付近までの約400mに、メーカーの直営店や関連ショップが集まりました。
この通りの魅力は、「昔の商店街が残っている」ことだけではありません。
古い店舗の中に新しいデニムショップが入り、店によっては工房の気配やミシンの音も感じられます。商店街を丸ごと新しく造り直すのではなく、昔からある通りに、児島で作られたジーンズという現在の商品を入れた。それによって、わざわざ遠方から歩きに来るストリートへ変わりました。
「古い建物を見るだけなら、すぐ歩き終わるんじゃない?」
そう思うかもしれません。しかし、ここでは店に入り、商品を見比べ、試着しているうちに時間が過ぎていきます。町並みは舞台で、旅の目的になるのは国産ジーンズの商品力です。
国産ジーンズを店ごとに見比べる

児島ジーンズストリートには、ジーンズのほか、デニムジャケット、シャツ、バッグ、帽子、財布などを扱う店が並びます。
ただ店の数をこなすより、生地の厚さ、色、形、縫製の違いを見ながら、気になった店へ入ってみるのがおすすめです。同じ濃紺のジーンズに見えても、穿いたときの形や硬さは異なります。長く穿いたときに、どのような色落ちになるのかを聞いてみるのも楽しみの一つです。
初めて国産ジーンズを選ぶ場合は、無理に専門用語を覚えていく必要はありません。
「普段の服に合わせやすいものが欲しい」
「細すぎない形がいい」
「最初から柔らかい方が穿きやすい」
このように普段の穿き方を伝えれば、店員にも相談しやすくなります。一本目の店ですぐ決めず、何店か見てから戻るくらいの時間を取っておくと、ストリートを歩く面白さも味わえます。
ジーンズに詳しい人なら、生地や縫製、各メーカーの考え方を比べるだけでも半日以上楽しめるでしょう。興味を持ち始めた人にとっても、通販の写真だけでは分からない穿き心地を現地で確かめられるのが大きな利点です。
旧野﨑家住宅は買い物の途中で立ち寄れる
ストリートの起点付近には、国指定重要文化財の旧野﨑家住宅があります。
野﨑家は江戸時代後期に塩田開発で財を成した家で、広い屋敷や土蔵群から、ジーンズ以前の児島がどのように発展したのかを知ることができます。
ただし、今回の主役はあくまで国産ジーンズです。旧野﨑家住宅を最初から必須の予定にせず、買い物の進み具合と開館時間を見ながら立ち寄れば十分です。
夕方は鷲羽山へ|瀬戸大橋を眺めて児島に泊まる

ジーンズストリートを歩いたあとは、鷲羽山へ向かいます。
鷲羽山は標高133mの山頂付近からは、瀬戸内海に浮かぶ島々と瀬戸大橋を一つの景色として眺められます。
最高の景色を切り取って、思い出にする
夕景や町歩きを動画で残したい場合は、片手で使える小型カメラが便利です。
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店舗の中でジーンズを近くから見続けたあとに、海と橋が広がる景色を見ると、旅の画面が大きく切り替わります。夕景でも知られているため、ジーンズストリートの店が閉まり始める時間から向かいやすいのも利点です。
1日目の流れは複雑に考えなくても構いません。
この順番なら、ジーンズ選びに予定より時間がかかっても慌てずに済みます。購入した商品や荷物を持って移動しなくてよいことも、車旅の大きな利点です。
宿泊は児島・鷲羽山周辺が便利
1日目は、児島または鷲羽山周辺に泊まると移動がまとまります。
瀬戸内海や瀬戸大橋を望める宿、温泉や食事を楽しめる宿などがあり、買い物を終えてから倉敷駅周辺まで移動する必要がありません。翌朝、倉敷美観地区までは車でおよそ40分を見ておけば、2日目も余裕を持って始められます。
宿を選ぶときは、景色を楽しみたいのか、食事や温泉を重視するのかを決めておくと探しやすくなります。
2日目は倉敷美観地区|白壁の町を歩く

2日目は宿から倉敷美観地区へ向かい、周辺の駐車場に車を停めて徒歩で散策します。
倉敷川沿いには、白壁となまこ壁の蔵、格子窓の町家、柳並木が続きます。ただし、ここも「古い蔵を見るだけ」の場所ではありません。残された建物の多くが、店舗、カフェ、宿泊施設、美術館などに使われています。
児島では、衰退した商店街に地元のジーンズメーカーが入り、現在の商品を選べる通りへ変わりました。倉敷美観地区では、蔵や町家の姿を残しながら、建物の中に現在の店や文化施設が入っています。
見た目は違いますが、古いものを飾って終わらせず、現在の町に役立てている点は共通しています。
倉敷川沿いを歩いたあとは、本町・東町方面まで少し足を延ばすと、町家を生かした店や静かな路地も見つかります。昼食は町家を利用した飲食店やカフェを選べば、外から眺めるだけでなく、建物の中で過ごす体験もできます。
倉敷アイビースクエアで繊維のつながりを見る
時間に余裕があれば、倉敷アイビースクエアにも立ち寄れます。
ここは旧倉敷紡績所の建物を活用した複合施設です。赤レンガと蔦に包まれた建物には、ホテルやレストラン、ショップなどが入っています。
1日目に児島で国産ジーンズという繊維産業の現在を見て、2日目に倉敷で紡績工場の建物が現在も使われている様子を見る。この順番で歩くと、二つの町が単なる別々の観光地ではなくなります。
まとめ|国産ジーンズを目的に倉敷へ行く1泊2日
児島ジーンズストリートは、レトロな商店街を眺めるだけの場所ではありません。
繊維産業で栄えた味野商店街に、児島で作られた国産ジーンズという強い商品が入り、店を比較しながら一本を選べるストリートへ変わりました。ジーンズに興味がある人なら、ここだけで半日以上過ごせます。
今回の1泊2日は、次の流れです。
- 1日目:児島ジーンズストリートで国産ジーンズを選ぶ
- 夕方:鷲羽山から瀬戸内海と瀬戸大橋を見る
- 夜:児島・鷲羽山周辺に宿泊する
- 2日目:倉敷美観地区を徒歩で巡る
移動方法をいくつも比べるより、マイカーまたはレンタカーでこの順番に回るのが分かりやすいでしょう。
この回り方を旅の大筋にして、あとはそれぞれの時間と好みに合わせて、立ち寄り先や滞在時間を加えてみてください。
白壁の町を見に倉敷へ行く。それだけでも旅になりますが、児島で自分に合う国産ジーンズを探す目的が加わると、1泊2日の楽しみはもう一段具体的になります。
児島で選んだ一本は、旅の思い出として、その後も長く穿き続けられます。
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