松本・縄手通りの旅|カエルの街に柳が揺れる、白壁の土蔵街で涼やかな昭和ノスタルジーに出会う

「最近流行りの映えスポットって、どこも同じに見えてちょっと疲れちゃったな……」 そんな風に感じること、ありませんか?大手のメディアが作り出す流行のウェーブに流される旅もいいけれど、いま私たちが本当に求めているのは、もっと等身大で、心がほっと安らぐ時間だったりします。

今回ご紹介するのは、信州・松本にある「城下町のレトロな商店街」。 安曇野や北アルプスにも近いこの街には、どこか涼やかで、歩くだけでタイムスリップしたような不思議な空気が漂っています。

「今回の舞台は、松本の川沿いにある『カエルの街』だよ!」 「カエル……? いや、カエルってそんなにみんなファンいるの? ほんとに?(笑)」

……なんてツッコミを入れたくなったあなた、大正解です(笑)。 でも、一歩足を踏み入ればその疑問は心地よく裏切られることに。

江戸時代の長屋風の店並みに、どこか愛嬌のあるカエルたち。川風に揺れる柳を眺めながら焼きたての「たい焼き」を頬張り、川の向こうの美しい白壁の土蔵街を歩く――。

なぜ松本にカエル?縄手通りに溢れる昭和レトロな怪しい魅力

女鳥羽川のすぐ脇に、江戸時代の城下町さながらの長屋が連なる「縄手通り」。
明治時代に、ここにあった「カエル大明神」にちなんでカエルの街として親しまれるようになったこの通りは、今や一歩歩けばどこもかしこもカエルのオブジェや看板だらけです。

通りに並ぶ小さなお店を覗いてみると、これがまた昭和レトロの宝庫!
古道具屋や骨董品店の店先には、かつて誰かの家で大切にされていたであろう古びた招き猫やブリキのおもちゃ、文字が右から左へ書かれた古い看板などが所狭しと並んでいます。

「一体これ、どんな人が買って帰るんだろう……?(笑)」なんて心の中でクスッと突っ込みを入れながら歩くのが、この街の一番の楽しみ方。

大手メディアが仕掛ける洗練された流行のウェーブとは無縁の、どこか怪しくて、でも最高に愛おしい昭和のノスタルジー。誰かに強制されたわけじゃない、自分だけの「お気に入りのガラクタ(宝物)」を探すようなワクワク感が、この通りには満ち溢れています

GoogleMapでこの街を確認は→こちら

川沿いの柳に吹かれる涼風と、焼きたて「たい焼き」の幸福感

カエルたちにひとしきり突っ込んだり、昭和の古道具に目を細めたりしていると、どこからともなく、甘〜い香ばしい匂いが漂ってきます。
その正体は、縄手通りの名物である「たい焼き」です。

「カエルの街なのに、たい焼きんだ……そこはカエル焼きじゃないんだ?」

という本筋のツッコミがここでも頭をよぎりますが、そこはご愛嬌。パリッとした薄皮の中に、上品なあんこがぎっしり詰まった焼きたてのたい焼きを片手に、通りのすぐ横を流れる「女鳥羽川(めとばがわ)」の土手へと腰を下ろしてみましょう。

安曇野の山々から流れてくる水はどこまでも澄んでいて、川面を渡る風が驚くほど涼しく、歩き疲れた体をそっと癒やしてくれます。
青々と茂る柳の葉がサラサラと音を立てる下で、川のせせらぎを聞きながら、温かいたい焼きをパクリ。

大行列の流行スイーツに並ぶよりも、この「涼しい川沿いでの等身大のもぐもぐタイム」こそが、大人の旅の何よりの贅沢。写真に写るこの穏やかな空気感そのものが、松本がくれる最高のプレゼントです。

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川を渡れば別世界。白壁の土蔵街「中町通り」で出会う和モダンな涼

縄手通りの賑やかでお茶目な雰囲気から一転、女鳥羽川に架かる橋を一本渡るだけで、まるで空気がピシッと張り詰めたような、静かで洗練された世界が広がります。そこが、もう一つの松本の顔である「中町通り」です。

一歩足を踏み入れて驚くのは、その圧倒的な「白と黒」の美しさ。

通り沿いには、江戸や明治の時代から続く本物の「土蔵造り」の建物がずらりと並んでいます。白壁に黒い瓦が格子状に美しく映える「ナマコ壁」の街並みは、ただ眺めているだけで、背筋がすっと伸びるような心地よい「涼しさ」を感じさせてくれます。

縄手通りが昭和ノスタルジーのワクワク感なら、こちらは洗練された大人の和モダン。
古い蔵をリノベーションしたモダンな民芸品店を覗いて職人手作りの器に触れたり、クラシック音楽が流れるレトロな喫茶店で冷たい珈琲をすすりながら涼んだり……。

賑やかな「動」から、静寂の「静」へ。この2つの異なるレトロを一歩で欲張れてしまうのが、松本散策の何よりの楽しさなのです。


おわりに:次の週末は、信州の爽やかな風に吹かれに行きませんか?

カエルへの愛あるツッコミから始まり、川沿いのたい焼き、そして白壁の美しい土蔵街まで。松本の城下町には、大手が仕掛けた流行のウェーブとは全く違う、街の人たちが大切に紡いできた等身大の魅力がギュッと詰まっていました。

この涼しいレトロな街並みをたっぷり歩いて心が満たされた後は、すぐ近くにある「浅間温泉」で一風呂浴びて、夜は信州の美味しいお蕎麦と地酒で乾杯……なんて、一泊二日のご褒美旅の計画を立ててみるのはいかがでしょうか。

次の週末はスマホの画面を少し閉じて、信州・松本の爽やかな風と、どこか懐かしい昭和の夢に、ぜひ会いに行ってみてくださいね。


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ライターについて 街の地層とレトロな風景を記録する街歩きライター。日々の散歩で感じた空気感を記事にしています。 プロフィール・活動実績はこちら

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